本と穏やかな暮らし

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【世界が滅ぶとき、自分はどう迎えるのか】|『滅びの前のシャングリラ』 凪良 ゆう

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今回読んだのは、凪良ゆうさんの『滅びの前のシャングリラ』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。

そのニュースから次第に人々の心は病んでいき、次第に街が荒廃していく。

学校でイジメを受けている少年、暴力の世界でしかいきる道を見いだせない不器用なヤクザ、男の元から逃げ出し女手一つで子供を育てる主婦、売れるために自分を殺してスターの座を得た歌手。

人生に絶望していた彼らが、地球滅亡の時をどのように過ごすのか。

四つの短編から構成された連作短編集。

 

 

印象的な言葉

 

明日死ねたら楽なのにと夢見ていた。

その明日がついにやってきた。

なのに今になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている。

後悔じゃない、もっとやわらかい眩しい気持ちだ。

これを希望と呼ぶのはおかしいだろうか。

『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社) 凪良 ゆう より

 

 

 

幕開けなのか、幕引きなのか、幻聴かもしれない音楽をあたしは従える。

そうして遠からず訪れる最期のときまで、

ただ、命を謳うのだ。

『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社) 凪良 ゆう より

 

 

 

 

 

感想

 

本著は、4人の登場人物の視点から語られるオムニバス形式となっています。

 

読み終わったあとはドッと疲れました。それぐらい強烈な内容でした。

 

地球に小惑星が衝突し、人類滅亡は避けられない。

どうしようもない危機が訪れた時、あなたはどうしますか?どう最期を迎えますか?と問いかけられた一冊でした。

 

秩序が崩壊してしまった世界になり暴力や略奪は当たり前。

そんな混沌とした中で人生を振り返り、どう死に向き合うか、悲しいけれども死んでしまうという結末は変わらない。

全てが壊れた世界だからこそ見える景色に、とにかく圧倒されました。

そして、4人の登場人物たちの心がとても尊く感じました。

弱かった少年も、孤独な少女も元ヤンの元夫婦も、時代の元歌姫も、自分の終わりをバネに限りある未来へ跳躍していきます。

大切なものは何か、何をするべきかを迷いなく掴みとっていく姿が眩しかったです。

 

もちろん登場人物だけではなく、名前のない人たちもこの物語の中で過ごした日々があり、色んな想いがあったのだろうな、と思うと胸が苦しくなります。

 

 

 

もし私だったら、最後の最後まで生き抜いて、夫と一緒に死にたいですね。

多分、夫が餓死とか暴力で先に死んでしまうのは耐えられないので、なんとしてでも生き抜きたいです。

そして手を繋ぎながら一緒にこの世を去りたいです。

 

 

 

この本を読んで、ふと「命に嫌われている。」という曲を思い出しました。

初めて聴いた時の感覚と、この本を読み終えたあとの感覚が似ているなぁと。

 

本家ではないのですが、まふまふさんが歌っているこの曲の方が心に響いたので、こちらをリンク貼りました。

 


命に嫌われている。/まふまふ【歌ってみた】

 

 

 

 

終わりに

 

死生観についても考えさせられる1冊でした。

付録でついていたスピンオフ作品もとても良かったです。

今回は印象的な言葉を2つピックアップしましたが、心に響く言葉はもっとあって、凪良さんの文章は本当に素敵だなと改めて思いました。

 

 

 

 

 

 

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