本と穏やかな暮らし

読んだ本についての感想や暮らしのこと、映画やお出かけのこと等、色々綴っています。

【生き辛さを感じていた女子高生の唯一の救いが推しだった】|『推し、燃えゆ』 宇佐美 りん

f:id:chihiro0203:20210304210631p:plain

 

今回読んだのは、宇佐美りんさんの『推し、燃えゆ』。

 

 

 

 

 

☑第164回芥川龍之介賞受賞

 

 

 

 

あらすじ

 

生き辛さを感じていた女子高生の前に現れたのは、一人のアイドルだった。

男性アイドルの上野真幸を”推す”ことに全てを注ぐあかり。そんなある日、「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」という情報がSNSで飛び込んできた。

 

 

 

印象的な言葉

 

「推しは命にかかわるからね」

『推し、燃えゆ』( 河出書房新社) 宇佐美 りん より

 

 

推しを推すことがあたしの生活の中心で絶対で、それだけは何をおいても明確だった。中心っていうか、背骨かな。

『推し、燃えゆ』( 河出書房新社) 宇佐美 りん より

 

 

 

 

感想

 

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」

 

この一文から物語は始まります。

 

芥川賞らしくページ数は少なく一文一文が短く、芥川賞らしからぬ読みやすさ(純文学と現代文学の間のように感じた)でした。

その端的に伝える文章が鋭く、グサグサ心に響いてきます。

 

アイドルへの推し方というのは人それぞれ。

テレビや雑誌だけを見る人、グッズを買ったりコンサートに行ってお金をかけて応援する人、ガチ恋と言われるように恋愛感情を抱いたりする人。

 

あかりの推しの方法は推しの全てを「理解」しようとすることでした。

 

私は誰かを応援することがあっても、これほどまでに誰かを「推し」た経験はありません。

むしろ淡白な方なので、完全にあかりの気持ちを理解することは難しかったです。

 

自分なりに整理してみると、あかりはアルバイトや家族関係など、生きていくうえで必要なことが上手くいかないということに自分で分かっていた。

そんな彼女の支えとなったのが「推し」だった。

推しがいなくなったら、「あたしはあたしをあたしだと認められなくなる。」という悲痛な叫びをあげているように、あかりにとって「推し」という存在は、生きる喜びであり、精神的な依存も高かったのだろうなと推測。

 

ただその割には、取り乱すことが無く淡々としていて冷静に受け止めており、なぜその心情になるのかはよく分かりませんでした。

うーん、難しい・・・。

 

最終的には完全なハッピーエンドとはいかないまでも、前を向いていく言葉が出てきたのは良かったなと思います。

皆さんはガチ恋をしている推しが結婚したときや熱愛報道が出たときは、どうやって心の整理を付けているのだろう?って疑問に思ったり。

 

 

「推し」がいることで精神的不安定になるのは怖いけど、ここまで好きなものがあるっていいなぁと思いました

 

 

 

終わりに

 

「推し」が居る人にとっては共感出来る内容だと思うし、昔「推し」を応援していた人には色々と思い出す内容になるのではないのでしょうか。

 

そして、私みたいに「推し」が居ない人にとっては、こういった世界を知るきっかけになる1冊なのでは?と思いました。

 

とても読みやすい一冊でした。

 

 

 

 

 

 

 

↓ ブログ村ランキング参加しています。面白かったらクリックをお願いします

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村