今回読んだのは、日向理恵子さんの『火狩りの王 [四]』。
前作の感想記事を過去にアップしていますので、是非そちらもご覧ください。
『火狩りの王 [四]』のあらすじ
工場地帯を越えて、神宮に到達した灯子、煌四、明楽。狩り犬とともに、人々の命運を懸けて神族と対峙するときが来た。この世界を滅ぼすことも、存続させることもできるという〈揺るる火〉が下した決断とは? シリーズ完結編。
【「TRC MARC」の商品解説 より】
『火狩りの王 [四]』の印象的な言葉
「なにも、選びたくなかった。だけどあなたを選ぶ」
『火狩りの王 [四]』(ほるぷ出版) 日向 理恵子 より
『火狩りの王 [四]』の感想
とうとう完結してしまいました。
灯子の長かった旅が終わりましたね。
率直な感想としては、「良い作品だった!」とは思えませんでした。
というのも、多すぎる犠牲で後味が悪くて、読むのが少ししんどかったからです。
3巻の時点でそうなる気はしていたけど、もしかしたらハッピーエンドになるかもしれないという期待も抱いていました。
だけど、ただただ辛く、苦しい世界のまま終わってしまいました。
灯子や煌四の前向きな言葉から少しだけ希望があるように思えたので、完全なバッドエンドでもないところは救いですね。
生き残った人たちの今後は幸せでいてくれることを祈りたいです。
あと個人的には、最終的に灯子と煌四は近くに居て欲しかったです。
綺羅があまり好きじゃないので・・・。
心が綺麗なお嬢様なんですけど、悲劇のヒロイン感が凄いというか。
それぞれが自分の場所で精一杯生きるということだと思うので、灯子が故郷に戻るというのは理解は出来るんですけどね。
灯子と煌四が会うことはもうないのかな・・・。
この作品はシリーズを通して、生きる意味を問いかけています。
私は、ただ、生きていることに意味があるんだ、という風に解釈しました。
抗って苦しんで、それでも人は生きていくしかないんだ、というメッセージが伝わる作品でした。
新しい王の誕生で希望があるのか、それともまた同じ過ちを繰り返すのか。
これからの世界が少しでも幸せでありますように・・・。
終わりに
本編が悲しい内容だったので、外伝とかで幸せな描写とか描いてほしいです。
外伝出ないかな・・・。
この作者の世界観とかはとても好きなので、次の作品が刊行されたら是非読んでみたいなと思います。
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