今回は、読み終わった本をまとめて紹介します!
Rのつく月には気をつけよう(賢者のグラス) 石持浅海
シリーズ物で本作は第2作目です。前作はこのブログで紹介しました↓
前作同様、身近で起こる不思議な出来事を推理した話が連なる短編集となっています。
本作では長江と渚、夏美と健太が夫婦となり、それぞれ子を持つ親という設定となっています。
前作は恋愛や仕事関連が多めでしたが、登場人物たちの環境に合わせて、子供の話、学校の話が多いなという印象を受けました。
小さな謎を手がかりにして、見方を反転させていく展開は変わらず。
個人的には、教育ママのお話がある意味で怖かったですね。
私の地元では私立に行く子は圧倒的に少なかったので、中学受験というものが想像はつかないんですが、そこには親のエゴ、親同士の競争などドロドロしているものが渦巻いているんだろうなと思いました。
この話は予想外の展開へとなっていくのですが、子供が満足しているのなら一番だなと思います。
ベイカー街の女たち ミシェル・バークビイ
シャーロック・ホームズシリーズで登場するハドソン夫人とメアリー・ワトソンを主人公にした斬新な設定の物語となっています。
もちろんホームズやワトソン博士も出てきますが、ベイカー・ストリート・イレギュラーズが出てきたりとホームズシリーズが好きならワクワクすること間違いなしです!
ホームズから見たその人物像と、ハドスン夫人から見る人物像が違っていることもあり、これがまた面白いです。
ホームズに断られた女性を、ハドソン夫人とメアリー・ワトソンが依頼を受けて調査をするところから物語は始まります。
しかしその捜査は、殺人事件へと深刻な事態へと繋がってしまいます。
色んな人の手を借りながら、最後は自分たちで解決するストーリーはハラハラしながらもとても楽しく読めました。
ミステリーの内容もとても満足しました。
海外ミステリーは読み辛い作品も多いのですが、こちらはとても読みやすかったです。
「シャーロック・ホームズ」シリーズはパスティーシュ作品が多いですが、この作品はその中でも設定自体が新鮮でとても面白かったです。
ヒポクラテスの試練 中山七里
法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズの最新刊です。
過去の作品はこちらで紹介しています↓
今回はパンデミックの話となります。
肝臓がんと診断された患者に疑問を感じ解剖を行った結果、恐るべき感染症だということが分かる。しかも同じ症状で相次いで人が亡くなっていく。
自覚症状なし、MRIでも検出不能であるこの感染症をどうやって防げばよいのか。
その原因を探るべく、助教授となった真琴はNYまで足を運ぶことになります。
未知の変異を遂げた感染症との戦いを描いた物語ということで、コロナウイルスと状況がなんとなく似ていますよね。事件の裏側だけでなく、政治家の闇や人種差別など、文化的・社会的問題まで描かれていて、読後は事件解決でスッキリとはいきません。
ですが、現実にありうる話なので目を背けてはいけない内容だなと思いました。
真琴と古手川はかなりゆったりとしたペースで進展していると思いますが、二人はこれぐらいがお似合いなのかなと思ってみたり。似すぎていて危ないとも言われているので、どちらかが変わらないと付き合うというのはないのかなと思います。
合唱 岬洋介の帰還 中山七里
大人気の音楽ミステリー「岬洋介」シリーズ最新刊です。
今回は岬洋介と同期だった検事の天生にスポットが当てられています。
幼稚園で教員と幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した仙街不比等。彼の担当になった天生は、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前に仙街が死んでいた。身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、岬洋介が帰還する。
天生の無実を証明するために、悪魔の弁護士の御子柴礼司や法医学の権威の光崎、孤高の刑事の犬養など、人気の主人公たちがシリーズの垣根を越えて集結します。
もちろん、どのシリーズでも登場する渡瀬と古手川も出てきます。
オールスターの集結ということで、著者のシリーズ作品を読んでいる読者にはたまらない一冊となりそうです。
天生が逮捕されるまでに結構ページ数があったので、事件自体はそこまで深くはなかったです。
ですが、物語にスピード感もあって一気に読めました。
どの人の視点からも岬洋介は掴みどころのない人物でどこか不気味だという印象を受けていましたが、もっと人間味のある彼が描かれる日が来るのかなと思うと楽しみです。
まとめ
今回は、ミステリー小説をまとめて紹介しました。
シリーズ物の最新刊が多かったです。『ベイカー街の女たち』も続編があるとのことなので、また追いかける作品が増えました。
素直に嬉しいです。
また読んだら紹介していきたいなと思います。
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