千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や絵画鑑賞、暮らしのことも

【孤独に生きる少女の成長物語】|『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ

今回読んだのは、ディーリア・オーエンズさんの『ザリガニの鳴くところ』。

 

2019年アメリカで一番売れた本として日本で紹介されています。

 

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ

 

 

 

 

『ザリガニの鳴くところ』のあらすじ

 

アメリカ南部のノースカロライナ州沿岸には、無数の砂州からなる湿地帯が広がっている。そこに住む6歳の少女のカイア。夫の暴力に耐えかねた母がいなくなり、その後、姉や兄達が去り、そしてついに父までが消えてしまう。孤児となったカイアは、わずかに残されたボートの操船法を覚え、沼地に茂る原生の自然に分け入って、生のすべてを学びとる。

数十年後、ある男の死体が発見される。人々はカイアに疑いの目を向ける。

自然と共に生きた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へと向かう。

 

 

『ザリガニの鳴くところ』の印象的な言葉

 

ここには善悪の判断など無用だということを、カイアは知っていた。そこに悪意はなく、あるのはただ拍動する命だけなのだ。

『ザリガニの鳴くところ』(早川書房) ディーリア・オーエンズ より

 

 

 

 

 

『ザリガニの鳴くところ』の感想

 

最近は海外の有名な本ばかり読んでいます。

どれも大作なので時間はかかるんですが、良い読書体験が出来ているので嬉しいです。

(これ前にも書いたかな・・・(;´∀`))

 

この本は、今年読んだ中でBEST3に入りそうなぐらい、印象的な内容でとても良かったです。

ちょっと『流浪の月』に雰囲気は似ているかも。

 

両親や兄、姉たちにも見捨てられたカイアが湿地で孤独に暮らしていたところ、一人の少年と出会います。

カイアは時々少年から文字を教わり、自分の世界を広げていきます。そして月日が流れ、カイアには少年への思慕が芽生えます。

しかし、カイアは裏切られ、ふたたび孤独になってしまいます。

孤独になったカイアの叫びに、私は読んでいて心が苦しくなりました。

ひとりで生きて行く術を身につけたカイアの言葉が胸に響きます。

 

カイアの少女時代という過去と青年の死の謎の現在の二つの時間軸で物語は進みます。

特に現在の話では、カイアはなかなか登場せず、どのような女性になったんだろうとドキドキしながら読み進めていました。

この本のジャンルはミステリーに分類されるらしいんですが、ミステリーというよりかはカイアの成長物語が主軸にあり、差別問題なども出てくるので、ヒューマンドラマかなぁと私は思います。

 

そしてこの本の最大の魅力は、なんといっても壮大な湿地の描写です。

著者は動物学者で、研究論文が“ネイチャー”誌など多くの学術雑誌に掲載されており、現在は湿地の保全活動などを行なっているそうです。

そのため、生き物の生態などが細かく描写されているんだなと思いました。

『ザリガニの鳴くところ』が著者初の小説ということで、もし次の作品を書く予定があるのなら読んでみたいですね。

 

 

終わりに

 

シリアスというか胸が締め付けれられるような作品ほど、うまく感想が書けずに時間だけがかかってしまいます・・・。

本作にちらほら出てくる詩もとても良かったです。

読後の脱力感が大きい作品ばかり最近読んでいるんですが、まだ何作か積読で控えているので頑張って読んでいこうと思います(笑) 

 

 

 

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