今回読んだのは、佐藤さくらさんの『少女の鏡』。
千蔵呪物目録シリーズ第1弾です。
『少女の鏡』のあらすじ
何故か鏡を見るのを恐れている高校三年生の美弥。
ある日酔っ払いの男に猫が蹴られているのを美弥は目撃し、助けに向かう。それでも暴力を続けようとする男を止めたのは少年と犬だった。
その後、美弥の通う学校では美弥と瓜二つの姿を見かけたという声が続出。とまどう彼女の前に現れたのはあの時の少年と大きな犬であり、なんと彼らは100年以上生きているというのだ。
次第に追い詰められていく美弥を少年と犬は救うことが出来るのか。
『少女の鏡』の印象的な言葉
「 努力は必ずしも報われはしない。おまえはそれを知っている。それでも、もがくことを止められない。そうやって必死に生き続ける姿の、なんと尊いことか」
『少女の鏡』(創元推理文庫) 佐藤 さくら より
『少女の鏡』の感想
佐藤さくらさんは、「真理の織り手」シリーズの著者であり、私も大好きなシリーズだったので今回の新シリーズの発売をとても楽しみにしていました。
本を手に取った時は前シリーズに比べるとかなり薄く、あまり楽しめないのじゃないかと思ったのですが、十分濃い内容で面白かったです。
世界観が現代ということもあり、前シリーズみたいに世界観の説明をしなくて済むのでその分本編に入りやすかったのかな。
内気な少女、美弥の鏡を巡る物語なのですが、随所に朱鷺と冬二の過去の話が出てきたりして、現代編と過去編が並行していました。
美弥の「取り柄がないから努力するしかない」という気持ちはすごく分かります。
私の場合は努力さえあまりしていませんでしたが(笑)
自分に特技がないと分かっていて、かつ周りが将来のために着実に歩み始めていると、焦ってしまう気持ちがありました。
私の場合、高校時代の友人は教師や看護師といった専門職に就きたいと思っていた子が多く、今も夢を叶えてバリバリ働いていて自分の仕事に誇りを持っています。
なんとなく大学に行ってなんとなく社会に出た私とは全然違うなぁと、落ち込むときもありました。
転勤族の夫と結婚したので「仕事に生きる」という人生はなくなりましたが、今は今で充分幸せなので、美弥もどんな道を選んだとしても将来幸せであってほしいなと思います。
もっと美弥中心の話でも良かったなぁと思ったのですが、主人公は美弥ではなく朱鷺であり、彼が呪物が出てきそうなところに行くという話のようでした。
少年と少年の兄(犬)の今後の活躍に期待したいです!
終わりに
このシリーズは何部作なのか情報がなかったので、もしかしたら結構続くのかなと思いました。
次はどんな人の近くに呪物が現れるのかな。
次巻の発売を楽しみに待ちたいと思います。
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