今回読んだのは、川添愛さんの『数の女王』。
『数の女王』のあらすじ
王妃の養女ナジャは、大好きだった姉を殺したのは王妃だということを知る。実は王妃は禁じられた計算を行う妖精を使って、呪いを行っていたのだ。
真相を知ったナジャは、自らも計算を行うことで妖精たちを解放することに奔走する。
一人一人に「運命の数」が与えられた世界で繰り広げられる、数論とアルゴリズムをテーマにしたファンタジー小説。
『数の女王』の印象的な言葉
「『私なんか』、ですか。あなたが自分を誰と比べてそう言っているのか分かりませんが、あなたにとっては唯一の、大切な自分自身ですよ。そのように言ったら、あなた自身が可哀想です。」
『数の女王』(東京書籍) 川添 愛 より
「この世には単純な面も、確かに存在します。しかし、すべてがそうではない。それなのに、物事を単純化して捉えてしまおうという誘惑は私たちを掴んで離さず、疑問を持つこと、自らの考えを客観的に見てみることを防ぎます。とくに、何事もうまくいき、自分に都合の良いことが起こっている間は、自分の考えに疑問を持つのは難しいことです」
『数の女王』(東京書籍) 川添 愛 より
『数の女王』の感想
あまり詳しく調べずに、ファンタジー小説だという情報のみで図書館で予約。
届いた本を見てビックリ!なんと横書き!!しかも、巻末には数学の解説が!!
「フィボナッチ数列って何ですか・・・?」と不安に思いながら、とりあえず読み進めてみることに。
素数といった辛うじて私でも分かるようなものが出てきたと思えば、難しい数列をこの物語ではパズルとして展開されていて、数学が分からない私でも楽しく読むことが出来ました!
よく「数学って美しい」などと言われたりもしますが、なんとなくその意味が分かったり(分からなかったり)。
ガッツリと計算式が載っているので、確かに横書きじゃないと無理ですね。
ファンタジーとしての内容もとても面白かったです!
思っていた以上に王妃が残酷で、ダークファンタジーに近いような感じでした。
あとは、とにかく妖精たちが可愛かったです。だけど、公式にはイラスト付きで登場人物紹介があったのですが、それに載っていた妖精たちはあまり可愛くありませんでした・・・。(コラ)
私のイメージした妖精たちを頭には留めておこうと思います・・・。
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81253/
1人1人に「運命数」があるというのがとても面白いなぁと思いました。
どうやら桁が大きければ大きいほど良いとされているみたいです。
私がこの世界に生れたら何の運命数になるのかなー。
きっとモブキャラと化すので二桁がせいぜいってところでしょうか。
この物語の「運命数」とは全く違いますが、現実の世界でも「運命数」というものがあるそうです。
それはカバラ数秘術ともいわれ、自分の生年月日から導き出すことができるとのこと。
その数字からあなたが生まれ持った先天的な性質が分かるらしいです。
気になる方は是非「運命数」で検索してみてください。
終わりに
数学的要素が出てくると思ったので失敗したかなーと思ったのですが、数学をパズルとして入れ込んでくれたので自分でも解いてみたりと、とても楽しく読めました。
数字や計算を武器に戦うファンタジー小説はとても新鮮でした。
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