千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や絵画鑑賞、暮らしのことも

【愛ではない。けれどそばにいたい】|『流浪の月』 凪良 ゆう

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今回読んだのは、凪良ゆうさんの『流浪の月』。

(3月に記事としてアップしたものを加筆・修正したものです)

 

 

 

 

☑2020年本屋大賞受賞作品

 

 

 

 

 

『流浪の月』のあらすじ

 

父が死んで母は私を置いてどこかに行ってしまった――。叔母の家に預けられるも居場所がない更紗、9歳。そんな彼女の前に現れたのが文、19歳。

「うちにくる?」———その言葉が全ての始まりだった。

時を経て再会すべきではなかった2人が再び出会ったとき、周囲の人々を巻き込みながら彼らの物語は動き始める。

 

 

 

 

『流浪の月』の印象的な言葉

 

事実と真実は違う

『流浪の月』(東京創元社) 凪良 ゆう より

 

わたしと文の関係を表す適切な、世間が納得する名前はなにもない。

逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。

わたしたちはおかしいのだろうか。その判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。わたしたちは、もうそこにはいないので。

『流浪の月』(東京創元社) 凪良 ゆう より

 

 

 

『流浪の月』の感想

 

圧倒的でとても美しい物語でした。

 

小児愛者と思われている青年が女の子を誘拐するというかなり重たい内容ではあるのですが、あまりその重さを感じさせず、むしろ清涼感さえあったちぐはぐ感が、更にこの作品の良さを引き立てていました。

 

更紗はもしかしたら女性からするとあまり良い印象を持てないキャラクターかもしれません。

無意識にたくさんの人を巻き込むし、「そんなに嫌なら男と付き合わなければ良いのに・・・」と思う人もいるでしょう。

ですが、そういうどこか危うい感じがする女性って周りが放っておかないんですよね。

どこか目を引く人っていうのは現実にもいる気がします。

後の更紗は凄くサバサバというか、危うい感じがすっかりなくなっていて、「あぁ、幸せなんだろうな」と思うぐらい変わったことがとても嬉しかったです。

 

 

思い込みと軽い善意が更紗を傷つけ、世間が文の居場所をなくしていく。

事実と真実は違う”この言葉がこの作品の真理を突いているように思います。

 

特に、今は簡単に何でも知ることが出来るネット社会だからこそ、その情報が合っているか分からないから何でも鵜呑みにしてはいけないなと改めて思いましたし、ネットの怖さも知りました。

そして、安易に情報を拡散してはいけないなとも強く思います。

私が何も考えずにリツイートした動画や画像が、もしかしたら誰かを傷つけているのかもしれないから。

 

 

 

更紗と文がこの先もずっと幸せでありますように――――

 

 

 

終わりに

 

私が今年読んだ本の中で1位の作品になりました。もうダントツ。購入して良かった。

これは本屋大賞取ってほしいですね。(※本屋大賞を見事取りました!)

 

表紙も作品の雰囲気に合っていてとても素敵でした。

東京創元社さんの表紙って、私好みの雰囲気が多いなと最近気付きました。

 

 

 

 

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