今回読んだのは、有栖川有栖さんの『濱地健三郎の霊なる事件簿』。
有名なミステリー作家さんなのですが、私は今回初めてこの著者の作品を読みました。
勝手なイメージで堅い文章なのかと思っていましたが、意外と読みやすかったです。
『濱地健三郎の霊なる事件簿』のあらすじ
心霊探偵、濱地健三郎という男は年齢不詳の紳士であり、不思議な雰囲気を醸し出している。
そんな彼の元には今日も心霊現象に悩む人々が訪れる。
似顔絵を描くことが得意な美人助手のユリエとともに、濱地健三郎は様々な怪事件を解決していく。
『濱地健三郎の霊なる事件簿』の印象的な言葉
「霊的な能力を持つことは不幸なんですか?」
(中略)
「人間の心の暗部を覗いてしまい、ぞっとすることがあったとしても絶望しなくていい。その反対に、時として人間の思わぬ気高さを垣間見ることができるんだよ。視えるのは幸福でも不幸でもなく、単に世界が誇張しただけだ」
『濱地健三郎の霊なる事件簿』(角川書店)有栖川 有栖 より
『濱地健三郎の霊なる事件簿』の感想
心霊探偵が主人公ということで、基本的には幽霊や心霊現象に関する事件ばかりが出てきます。
どの事件についてもちゃんと謎解きがあるので、ホラーというよりかはミステリーに分類して良いと思います。
実際、私はホラーが苦手なのですが、そんな私でも普通に読むことが出来ました。
『心霊探偵八雲シリーズ』や『medium 霊媒探偵城塚翡翠』に似ていると言ったら分かりやすいのかな。
探偵が物腰柔らかな紳士ということで、上記2作品に比べると落ち着いた印象を受けました。30代にも見えるし50代にも見えるという謎の人物なのですが、私個人的には50代のおじ様であってほしいと思っています(笑)
基本的には助手のユリエ視点で物語は進んでいきます。
最初は依頼人の視点から彼女は登場するのですが、クールで無口な美人助手という感じに描かれていました。
いざユリエ視点になると、24歳の明るく良い意味で平凡な女性だということが判明。(似顔絵は引くほど上手いという才能はあります)
人は見た目が9割だなんて言いますが、実際はしゃべってみないと分からないと思いました。
この作品は短編集なので前後の話のつながりはなく、スキマ時間に読めるのが良かったです。
実際、とても読みやすくて面白かったです。
この作家さんに対しては、勝手に堅いイメージを付けて敬遠をしてしまっていた節があったので、何でもまずは読んでみないといけないなと反省しました。
食わず嫌いならぬ、読まず嫌いをなくします!
終わりに
こちらはシリーズ物となっていて、2巻が今年発売されました。
とても面白かったので、この本を読んだ後にすぐに2巻を読みました(笑)
また近いうちに2巻の感想もアップします。
↓ ブログ村ランキング参加しています。面白かったらクリックをお願いします