今回読んだのは、江國香織さんの『彼女たちの場合は』。
あらすじ
アメリカに住む14歳の礼那と、従妹の逸佳17歳。逸佳の提案で2人はアメリカを見る旅に出る。ニューヨークから始まり、長距離バスやヒッチハイクなどを使いながら色んな街に行き、旅の途中でたくさんの人と出会う。楽しい出会いに、美しい景色、時にはちょっぴり怖い思いをしながらも二人の旅は続いていく。
印象的な言葉
「たとえばこの朝がどんなにすばらしいかってことはさ、いまここにいない誰かにあとから話しても、絶対にわかってもらえないと思わない?」
『彼女たちの場合は』(集英社) 江國 香織 より
感想
こちらも『イヴリン嬢は七回殺される』と同様、472ページというなかなかの分厚さでした。(2段組みではありませんが)
この本は旅物語といっても良いと思います。少女たちの成長が見れるとかそういったことはなく、旅をして色んなものに触れ、見るというお話なので。
14歳と17歳の女の子二人だけでアメリカを横断するというのはかなり勇気のいることだけど、美味しそうな食事だったり、美しい景色の描写を読んでいる内に、私もアメリカの旅に行きたいなと思いました。きっとアメリカの空は広いんでしょうね。
面白かったのが二人の両親の反応です。
片方はとにかく心配していて、もう片方は娘の旅にワクワクしているという、真逆の反応。どちらの気持ちもわかります。急に音信不通になったらとても焦るけど、「家出ではないので心配しないでね」と書き置きもあるし、ちゃんと電話や手紙もあったりしたので、私だったら心配しつつも自分の世界を自分の足で広げてほしいなと思うかも。
あとは単純に表紙が好きでした。
基本は作家読みの私ですが、表紙に惹かれて手に取ることも結構あります。こういった雰囲気のイラストだったり色使いはめちゃくちゃ好みです。
また、表紙に内容が合っていたのでより良かったです。
終わりに
かなり久しぶりに江國さんを読みましたが、女性作家さんらしく綺麗な文章でとても良かったです。大きな展開もなかったので、心穏やかに読めました。
コロナウイルスが落ち着いたら、旅行に行きたいなと思いました。
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