千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や美術館、ライフスタイルのことも

『近いはずの人』 小野寺 史宜

今回読んだのは、小野寺史宜さんの『近いはずの人』。

 

 

 あらすじ

 

妻が交通事故で死んだ。

失意の中、俊英は妻が残したスマホのロック解除を試みる毎日。そして、ロックが解除されたとき俊英が目にしたのは、事故当日に男との逢引のやり取りをしているメールだった。

妻の知らない一面を知り、妻の姉や友人に会い、その足跡を辿っていく。妻に先立たれ、残された夫は再起できるのか。

 

 

印象的な言葉

 

「絵美は僕の妻だったんですよ」

   『近いはずの人』(講談社) 小野寺 史宜 より

 

 

 

 

感想

 

作者の小野寺さんのことは、昨年本屋大賞にノミネートされてから知りました。

日々の生活で感じたことを登場人物を通して表現することがとても上手いので、読後はいつも心温まったり、自分では表現できない何かを感じることが多いです。

この作品も大きな展開はありませんが、どこか心にくる物語でした。

 

最初、あらすじを読んだときは平野啓一郎さんの『ある男』に似ているのかな、と思いましたが全然違いました。

あちらはミステリー小説で、夫の謎を巡る壮大な展開となりますが、こちらは相手の男性もすぐ分かるしミステリー要素はありません。

 

※『ある男』は、夫が死んだ後に、実は別人だったということが分かり「本当」の夫を探す物語です。こちらもオススメです。

 

 

『近いはずの人』では、夫の俊英はところどころに無関心さが垣間見え、妻のことを周りから聞くうちに妻が浮気?をしたのは自分のせいだと追い詰められていきます。
しかし、最後は「それでも僕は妻を愛していた」という想いが出てきて、私はホッとしたしジーンとなりました。
夫婦には誰しも1つや2つ秘密があるでしょう。それが亡くなった後に分かるのは辛いことだと思います。
ですが、俊英みたいに悪かった自分を受け入れ、妻を受け入れ、そして前を向ける心の強い人でありたいなと思いました。
 
 

終わりに

 
個人的には、亡くなった奥さんや奥さんの家族には全く共感できませんでした。たとえ無関心さがある夫とはいえ、夫婦なんだからもっと話合えば良かったと思うし、それで別の男に縋るというのは違うんじゃないかな~と思いました。
 
 

 

 

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