千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や美術館、ライフスタイルのことも

『ラプラスの魔女』 東野 圭吾

今回読んだのは、東野圭吾さんの『ラプラスの魔女』。

 

 

映画化もされて、一時期話題になりましたよね。

当時は予約件数が多すぎて諦めてしまって、そのまま忘れてしまったのですが、今回偶然手にすることが出来たので読んでみました。

 

 

あらすじ

 

一つの竜巻で、ある一人の少女の将来を大きく変えた—―。

地方の温泉地で硫化水素中毒により一人の男が死んだ。警察は事故だと判断。しかし、遠く離れた温泉地でも同じ状態で死亡事故が起こった。そしてその事故現場には少女の姿があった。

検証現場にいた地球化学の研究者・青江は、彼女はある青年を追っていることを知る。しかも彼女は不思議な力があった。

 

 

印象的な言葉

 

「未来がどうなるかが不明だから、人は夢を持てる。(後略)」

     『ラプラスの魔女』(KADOKAWA) 東野 圭吾 より

 

「(前略)一見何の変哲もなく、価値もなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。この世に存在意義のない個体などない。ただの一つとして」

     『ラプラスの魔女』(KADOKAWA) 東野 圭吾 より

 

 

 

 

感想

 

久しぶりの東野作品でしたが、やはり安定して面白いですね。

最初、あらすじだけ読むと珍しくファンタジー要素が入っているのかと思いましたが、流石東野さん、しっかりと科学的観点からの解明でしたね。

 

今回、面白いなと思ったのが探偵役がいなかったことです。

一応、教授の青江さんがその役だとは思いますが、彼は普通の研究者で大した謎解きはしていません。むしろ読者と一緒の感覚で行動して、所々で少女から答えを貰っている感じでした。刑事の中岡も途中までは謎解きに参加していましたが、最後は完全に蚊帳の外でしたしね。

最初から犯人とトリックが分かっている少女を、様々な人が追っていくというストーリーはとても良かったです。

 

ちょっと「お?」と思ったのが、「印象的な言葉」でも取り上げた2つ目のセリフです。

私は吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』にちょっと似ているなぁーと思いました。この『君たちはどう生きるか』に出てくるコペル君は、人間は分子だと言っていたり、それに対して叔父さんはその分子が集まって世の中を作っていると言っているし、存在意義という点もどこか似ている気がするなーと思いました。

私が最近この『君たちはどう生きるか』を読んだので、そう思っているだけなのしれませんが。もし、東野さんがこの本にヒントを貰っていたのなら、推測が当たって嬉しいなと思います。(まあないか・・・)

 

 

終わりに

 

この作品の前日譚で『魔力の胎動』があるみたいです。調べてみたところ、今回出てきた少女の円華にスポットが当たっているみたいです。短編集らしいのですが、どうやら最終章は『ラプラスの魔女』に直接つながる話だとか。

これは読まないといけませんね。

 

 

 

 

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