今回読んだのは、若桑みどりさんの『イメージを読む』。
この本は、4つの芸術作品にスポットを当てて、その当時の思想・宗教観・画家についての解説があるとともに、それぞれの絵画に隠された謎を著者の解釈とともに探っていく内容となっています。
また、実際に大学で講義したものをまとめていて、内容も専門的というよりかは誰が聞いても分かるような説明となっているので、美術について詳しくない私みたいな人が読んでもとても理解しやすかったです。
先程も挙げた通り、この本には4つの芸術作品が紹介されています。
- システィーナ礼拝堂の天井画 ミケランジェロ
- 《モナリザ》 レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 《メレンコリア》 デューラー
- 《テンペスタ(嵐)》 ジョルジョーネ
この中で私が知っているのは上2つです。
デューラーはかろうじて名前は聞いたことがありますが、どんな作品を描いているのか分かりませんでしたし、ジョルジョーネという人は初めて聞きました。
上2つも知っているというよりかは、聞いたことがあってその絵を思い浮かべることが出来る程度で、中身については全く詳しくありません。
そんな私程度でも、とても易しく解説してくれていますし、どの作品にも謎があって、それを筆者の解釈で説明しているのを読むと、より一層面白く感じました。
美術作品を知るには、その作者のこと、宗教のこと、歴史のこと、ありとあらゆる方面から考えなくてはいけないのだと知りました。
特に、ルネサンス時代の作品は、自分の意見を絵に込めることでしか発言が出来なかったということで、その考え方を調べることはとても面白いんだろうなあと思います。
例えば《最後の晩餐》は、題名は同じだけど、描く人によってその絵に込められた想いというのがこんなにも違うのだと驚きました。
本当はこの4作品について詳しく述べたら良いんでしょうが、それだとこの本に書かれていることをただ要約した形になってしまうので、興味がある方は是非手に取って読んでもらえたらなと思います。
著者の若桑みどりさんは美術史についてこう語っています。
美術史というものは、人類が創造してきた芸術の歴史を研究する学問である。
とりわけ、文化人類学や考古学や歴史学など色んな学問と結びついている。しかし、そういう色んな学問を結び付けたら美術史になるのかといえばそうではない。美術史の固有の特質とは、美術史の最初で最後の研究対象が目に見えるものであるということである、と。
目に見えるものというのはイメージという言葉に筆者は言い換えています。
そのイメージの解釈の方法として3つあるみたいです。ここでは説明を省きますが、こういった方法で研究者たちはイメージの解釈をしています。そして若桑さんの解釈がこの方法に沿ってこの本で語られています。
なんだか、まとまりのない文章になってしまいましたが、つまり美術というものは奥が深いということです。(無理矢理まとめました)
美術館に行くときは、ある程度作品の背景や作者のことを知ってから観に行きたいなと思いましたし、その方がより一層有意義な時間を過ごせるだろうなと思いました。
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