千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や美術館、ライフスタイルのことも

『ドクター・デスの遺産』 中山 七里

今回読んだのは、中山七里さんの『ドクター・デスの遺産』。

 

 

 

 

あらすじ

 

少年から警察への一本の電話が全ての始まりだった。「僕のお父さんはお医者さんに殺されたんだ」。犬養刑事が少年および母親から事情を聞くと、どうやら「ドクター・デス」と名乗る医者の格好をした奴が、病気などで苦しむ人々を安楽死させているということが判明した。犬養たちは早速「ドクター・デス」を探すために過去の依頼者たちを遡っていくが、依頼した人々は皆安堵の表情を浮かべており、難病の娘がいる犬養自身も安楽死に対して揺らいでいくのを感じていた。そんな中でも難航する捜査を嘲笑うかのように、日本各地で類似の事件が次々と発生する。

 

 

印象的な言葉

 

「それって考え方の違いだけだよ。だって家族を死なせたくないのも、苦しませたくないのも、根は同じ思いやりなんだからさ」

犬養は虚を突かれる思いだった。

「長く生きられたら無条件で幸せってことでもないじゃない。それさ、対立しているんじゃなくてアプローチが違うだけなんだと思う」

     『ドクター・デスの遺産』(角川書店)中山 七里 より

 

 

 

 

感想

 

「刑事犬養隼人」シリーズ第4弾。第3弾以前はをブログ開設前に読んだので、当ブログに記事はありませんが、この本から読んでも十分理解出来る内容となっています。

 

今回のテーマは「安楽死」でした。

 

この本では日本の法制度として安楽死は合法ではないとみなされていました。(発行は2017年5月)

では、現在は法律でどのようになっているのか調べました。

 

安楽死について

安楽死については、2種類あるそうです。

 

積極的安楽死:致死性の薬物の服用または投与により、死に至らせる行為のこと

自分で積極的安楽死を行った(未遂も含む)場合は自殺なので犯罪にはならないが、他人が積極的安楽死を行った(未遂も含む)場合は殺人罪の対象となる。

 

消極的安楽死:予防・救命・回復・維持のための治療を開始しない、または、開始しても後に中止することによって、人や動物を死に至らせる行為のこと。

日本の法律では、患者本人の明確な意思表示に基づく消極的安楽死(=消極的自殺)は、完全に本人の自由意思で決定・実施できる

                       (Wikipediaより抜粋)

 

今作では積極的安楽死のことだったので、今でも合法ではないみたいですね。

 

厚生労働省のHPから終末医療について調べましたが、最近の記事はありませんでした。かろうじて、平成29年度の資料によると、尊厳法という法律さえも日本にはないことが分かりました。

それだけ安楽死も含めて終末医療というのは、非常にデリケートで難しい問題なのかもしれません。

 

 

 

正直、安楽死というテーマが重たすぎて、ミステリーという内容については私の中では二の次になってしまった感は否めません。

ただ、この作者らしいリズム感ある展開でスラスラ読めたので、面白かったといって良いのでしょう。本の感想がこれだけですみません。

最後は犬養刑事と同じく消化不良になったので、考えさせられたという点において読んで良かった本でした。

 

 

終わりに

 

安楽死の是非について作者の中山さんが出した答えは、【印象的な言葉】で出した犬養の娘さんの言葉だったのかなと思います。安楽死について良いも悪いもない、ただ、アプローチが違うだけなんだと。

以前読んだ『ライオンのおやつ』でもそうでしたが、終末医療についてもっと知りたいと思うようになりました。今度、そういった本を読んでみようと思います。

 

 

 

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