今回読んだのは、L・M・ビジョルドさんの『チャリオンの影 上』。
いつもだったら上下巻まとめて記事を書いていたのですが、思っていた以上に分厚く、読む時間がかかったので分けて書こうと思います。
あらすじ
五柱の神々を崇める国、チャリオンを舞台にしたファンタジーシリーズ第1作。
戦いの最中ある陰謀により、敵国の奴隷になってしまったカザリル。心身ボロボロになってようやく故国に戻ってきた彼は、過去の実績から国主の妹イセーレの教育係兼家令に任ぜられた。
落ち着いた時間が取り戻せたかと安堵したのも束の間、イセーレが弟と共に宮廷に出仕することに。カザリルもついていくことになったのだが、そこで陰謀の渦に巻き込まれていく。
印象的な言葉
「聖者とは高潔な魂ではなく、うつろなる人間です。天与の意思を進んで神に仕え、放棄することによって、逆に行動を可能ならしめる者なのです」
『チャリオンの影 上』(創元推理文庫) L・M・ビジョルド より
感想
この巻はチャリオンという国のことや、五信教、そして登場人物の説明でほぼ占めていたといっても良いでしょう。
最初は全然物語に入りこむことが出来ず、五柱の神々と言われてもピンと来ませんでしたが、読み進めていくうちに慣れてきて読むスピードも上がりました。
主人公のカザリルは奴隷だった後遺症でくたびれていて悲哀さえも漂わせる人物として描かれていますが、実はまだ35歳なんですよね。無精ひげはこのまま剃らないのかな・・・。しかし彼は良識のある優れた人物なので、見せ場も多いし、女性から好意を寄せられても不思議はないですね。
この物語はファンタジー小説ですが、今のところ冒険ものではないですし魔法があるというわけでもなさそうです。(最後に死の魔術は出てきました)
どちらかというと、神を崇拝する国の政情のお話のようで、異世界ものととらえた方がよさそうです。私は冒険ファンタジーも好きなのですが、こういった陰謀やら独自の神の信仰といった話も好きなので、今後どうなっていくのかとても楽しみです。下巻は他の国が出てくると思うので、スケールが大きくなる予感はしています。
終わりに
流し読みをしてしまって、最初の方の説明などを飛ばしてしまった気がするので、もう一度読み直してから下巻を読もうと思います。
あらすじによるとこのシリーズは三部作らしいので、あまり間を空けずに読んでいきたいです。
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