千尋の読書感想文

読んだ本について感想を書いています。たまに映画や美術館、ライフスタイルのことも

『詩的私的ジャック』 森 博嗣

今回読んだのは、森博嗣さんの『詩的私的ジャック』。

 

 

 

 

あらすじ

 

S&Mシリーズ第4弾。

萌絵と犀川の通うN大学やその周辺にある大学で密室殺人事件が起こる。

容疑者として浮かび上がったのが、犀川が担任している学生でロック歌手の結城稔。なぜならば事件と彼の歌詞が酷似していたからだ。

ひょんなことから事件に関わることになった萌絵が謎解きに奔走する。

 

印象的な言葉

 

「男女平等と職業とは無関係だ。つまり、男と対等になるために、仕事をするなんてナンセンスだよ。それでは、仕事をしている者が偉いという、馬鹿な男が考えた言い訳を認めることになる。いいかい。仕事をしていても、遊んでいても、人間は平等だ。問題をすり替えてはいけない。」

                 『詩的私的ジャック』(講談社文庫) 森 博嗣 より

こうして、自分のアイデンティティは、素直な思考によって不可逆的に軟弱になっていく。 最も効果的な防御とは、考えないこと。

                 『詩的私的ジャック』(講談社文庫) 森 博嗣 より



 

 

 

感想

 

過去の作品に比べるとスケールは小さいですが、現実的に一番ありえそうな殺人事件だなと思いました。犯人の本当にささいな動機(動機もあるのかも微妙)で何人も人が殺されてしまうのですが、私は新幹線殺傷事件を思い出しました。もし、私の周りでそんなことが起こったらどんな気持ちになるんだろう…と考えてしまいます。きっと怒りを通り越してやるせなさしか残らないのかな・・・。

 

本作では犀川先生の「無関心さ」と萌絵の「不安」が顕著に出ていました。元々「無関心」だった犀川先生でしたが、今まではなんだかんだと優しい一面があったり、温かみが感じられたのですが、今回は本来の犀川先生が前面に出ていたように思います。

対する萌絵ですが、今までは自信満々で猪突猛進型だったのですが、不安やためらいというネガティブな感情が出ていました。でもそれがきっと彼女にとって将来プラスになっていくんだろうなと思います。

 

 

終わりに

 

2人の仲は進展はしていませんが、萌絵の中に心の変化があったのは大きな前進なのかなと思います。次はどんなストーリーなのか楽しみです。

 

 

 

↓ ブログ村ランキング参加しています

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村